赤坂農場 MINORIA(ミノリア)
トロピカルフルーツ栽培で地域活性化に貢献したい
石灰工場から排出される「熱」と「二酸化炭素」を有効活用して、トロピカルフルーツの栽培に挑戦しています。原動力は、環境負荷を再び資源に変えるという思い。工場資源の活用で、工場と農業と人を繋げ、地域の活性化へ貢献したい。地域に根ざして、持続可能な農業の発展を目指します。
岐阜県大垣市赤坂町は、江戸時代には中山道の宿場町として栄え、明治以降は石灰石の産地として町の発展を支えてきました。産業の近代化とともに石灰石の需要も高まり、採掘は今日まで続いています。私たちは、この貴重な資源を持続可能に活用し、独自技術によってその価値をさらに高めると同時に、地域の未来にも貢献したいと考えています。たとえば、石灰石の加工過程で得られる熱や二酸化炭素を農業に活用することで、日照量に恵まれた赤坂の地で魅力ある農産物の栽培が可能になります。気さくで地元愛にあふれる赤坂の方々と連携し、新たな地域ブランドの創出にも挑戦。石灰石と共に歩んできた赤坂町で、地域に愛されるプロジェクトを推進し、活性化の一翼を担いたいと願っています。
矢橋グループは2000年、ベトナムにて石灰石採掘を開始して以来20年以上にわたり、ベトナムの人々と深い絆を築いてきました。その中で出会ったのが、多彩で魅力あふれるトロピカルフルーツです。日本では気候の違いから栽培が難しく、流通量も限られるこれらのフルーツには、まだ知られていない希少な価値があります。私たちは、石灰石の焼成炉から得られる安定した「熱」と「二酸化炭素」に着目し、農業温室に活用することで、日本国内でもトロピカルフルーツの周年多収栽培を実現できるのではないかと考えています。
石灰石を焼成する際に発生する二酸化炭素は、不純物が少なくそのまま農業に利用できるほどクリーンです。この高純度な二酸化炭素は、植物の光合成を促進し、果実の糖度向上や収穫量の増加に寄与します。また、石灰石の焼成過程で発生する約1500℃の大量の熱も、これまで未利用のまま放出されてきました。私たちはこの熱を農業温室に活用し、年間を通じて安定した温度環境を実現。冬場の暖房コストを抑えつつ、トロピカルフルーツなど高付加価値作物の安定栽培を可能にしています。
本来であれば環境負荷となる石灰工場の「熱」と「二酸化炭素」。私たちはその有効活用を目指し、工場と配管で直結する農業温室「赤坂農場 MINORIA(ミノリア)」を建設しました。高温の排熱とクリーンな二酸化炭素、そして独自開発の制御システムを組み合わせ、温暖な気候を再現。トロピカルフルーツの最適な栽培環境を整え、農業と工業の技術融合を実現しています。温室の環境はスマートフォンなどで24時間遠隔管理が可能。安心・安全で高品質なフルーツの栽培に取り組み、地域ブランドの確立を目指します。
原動力は「環境負荷を資源に変える」という想い。私たちは、工場から生まれる熱や二酸化炭素といった資源を活用し、工場と農業、そして人々をつなげることで、地域の活性化に貢献したいと考えています。赤坂農場MINORIAでは、スターフルーツ、バニラ、マンゴー、ジャボチカバ、ミラクルフルーツなど、多彩なトロピカルフルーツの栽培に挑戦しています。