Thăng Long House(タンロンハウス)
「タンロンハウス」社宅リノベーションプロジェクト

岐阜県不破郡垂井町に所在する事業所、矢橋テクニカルセンター敷地内の社宅「圦の宮荘」をインドシナスタイル「タンロンハウス」にリノベーションするプロジェクトです。設計はベトナムのVINA ARCHI、建材はVINAWHITE 木工加工部門で製作し、日越の文化が融合した住環境を創造します。

このプロジェクトは、ベトナム建築の建物を日本につくることで、矢橋グループの海外投資の成果を現し、日越の国際協力を更に強固にしたいという思いから始まりました。そして、インドシナ建築様式をデザインのインスピレーションとして採用しました。これは、ベトナムの文化的アイデンティティとフランスの新古典主義建築様式の組み合わせが素晴らしく、西洋と東洋の文化が融合した独特の美しさを表現しています。

19世紀末から形成されはじめた「インドシナ・スタイル」は、フランス人建築家がもたらした現代西洋建築の技術的要素と、ベトナムの在来建築・気候を考慮して調和した建築スタイル。博物館や大学、ホテルなどに取り入れられ、今日まで現存しています。インドシナ建築の特徴は、色、模様、素材、木製家具、装飾品に現れており、自然換気、断熱、照明にもこだわりが見られます。

手加工の手すり子と縦面格子が織りなす格子スクリーンが防犯性と美観を両立。洋風ヤギリ窓は採光と換気がとれ、雨風も防ぎます。東洋建築に欠かせないタイル。床タイルは石、テラコッタ、またはセメントで作られており、厚みが薄く、他の表面に接着されています。風花レンガはブロックレンガで、通気を目的とした穴あき模様のセラミックやテラコッタで作られています。最近ではモチーフの多様化に伴い、装飾用や照明用などにも多用されています。

ベトナムと日本のデザインを融合。ベトナム人設計士によるインドシナ・スタイルに、ベトナムの伝統的工芸などを取り入れ、矢橋オリジナル造作材を使用。矢橋だからできる多文化共生のかたちです。VINAWHITE と矢橋工房で製作する工芸品や内装材を採用し、竹や籐の工芸品、陶器、漆絵など、ベトナム独自の伝統文化もできる限り紹介していきたいと考えています。

Thăng Long House(タンロンハウス)の「タンロン」は古都ハノイの名前であり、「昇龍」を意味します。プロジェクトを継続し、日越の良好な関係を築き、天に昇っていく龍のように、共により良い発展を目指しています。