古くから、日本の和室に飾られている掛軸。書や絵などさまざまな種類があり、飾ることによって空間を華やかにしたり引き締めたりと、多様な効果を生みだします。特に茶室の掛軸は茶掛(ちゃがけ)と呼ばれ、床の間に飾られ、亭主の心やおもてなしの気持ちを表現する最も重要な道具の一つです。なかでも多種多様な布や紙を張って仕立てる表具(ひょうぐ)と呼ばれるものは、表現方法が無限大であるため、各国の異素材を一つにまとめるにはお誂え向きです。多文化共生館SAXIAの三つの軸装に使用されている布(裂地)は、矢橋会長がベトナム・ミャンマーで長年収集したものから厳選しており、それに合わせて裏打ち紙は、和紙・韓国紙が使用されています。書については、矢橋会長と古くから親交のある、大本山大徳寺別院 徳善寺の橘了庵(橘宗羲)和尚揮毫(おしょうきごう)の素晴らしい作品で、言葉と和紙の豊かさに導かれるように、各国の布と紙が表具と一体になっています。掛軸を仕立てるには多くの工程がありますが、この三つの表装は松月堂栗田表具店 4代目の栗田さんによって、すべて手作業で仕立てられました。



